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今年最初の日曜日

 今日は今年最初の日曜日。
 家でゆっくりくつろごうかと思っていたのですが14日辺りからのタイ行きが決まりアタフタと仕事しに出てきました。春夏の商品の事を考えたりしていると気分はすっかり小春日和。今日のお天気も手伝ってまだお正月気分の抜けない街を横目に私の中では今は、春夏!Spring-Summer!S/S!です。
 こういう小春日和には大抵私の聴きたくなる音楽は軽やかで仕事のはかどる感じの南米音楽です。(ボッサノッヴァ以外で!)季節や天気によってBGMを選ぶ人は少なくないと思いますが私の場合はあまり万人受けする音楽を聴く方ではないのでかなり偏った嗜好です。それに音の匂いで気持ちを高ぶらせたい、という欲求もあるのです。慢性的な副鼻腔炎という持病のある私にとっていつも欲求不満気味の嗅覚を満たしてやるためにもこの「音の匂い」は大切です。だから季節の匂いも音で感じたい。という事です。
 春にはコレ。梅雨にはアレ。そして夏にはこんな感じの。。。と言う風に音と共に私の脳内季節は巡って行くようです。大抵それには記憶の中にある音楽もあったりして…だから一般的に言うレゲエは夏に!という概念は私にはありません。わたしの場合は真冬にレゲエ。寒い寒い冬。窓ガラスが凍り付いてしまうような真冬になるとあのボブ・マーレイの「Get up Stand Up!」が無性に聴きたくなるのです。
 かれこれ10年以上前の事。駆け落ち同然にフランスの地方都市に行ってしまった姉を訪ねて私は一人スイス、チューリッヒ空港に立っていました。迎えに来てくれたのは義兄。少し踊っているような変な癖のある歩き方をする彼は大手を振って私を抱きしめてくれました。
「welcome welcome! YASUKO! Ca va? bien bien...」英語とフランス語をごちゃ混ぜで私にいろいろ話しかけてくる彼。そんな義兄の運転する小さなシトロエンでチューリッヒからアヌシーという姉達の家のある街まで一っ飛び!もうすぐ姉にも会える!…という私の期待はすぐに打ち砕かれました。11月のフランスは酷寒。雪もチラつく天候だったので高速を小さな車で飛ばすのはかなりの恐怖でした。ヨーロッパの人の傍若無人な運転を私はそのとき初めて経験したのですが、それよりも何よりも恐れおののいたのは義兄の運転。怖がる私を気遣ってか彼が用意していたかのようにデッキに放り込んだのは、ボブ・マーレイのカセットテープ。No women No cry~♪ 上機嫌に歌い、場を和ませようとする彼。横目で私をチラチラ見てくる。前を見て運転してください!挙句の果てには「…Everything's gonna be allright ♪…」という状況と真逆の歌詞。それを彼は熱唱。。。
 そうこうしてるうちに一通りの会話も終わりしばし車内に沈黙が。すると義兄は「ヤスコのすばらしい姉、僕の美しいワイフ (…勿論姉の事です…)が作ったとびきり美味しいサンドイッチを食べよう!」と大袈裟に出してきたバケットサンド。カチカチのバケットに生ハムとカマンベールのようなチーズとトマトが挟んであるだけの素朴なサンド。美味しかった。本当に。なんだか状況とは裏腹にその味にホッとしてしまったのです。カセットデッキからはボブ・マーレイの「Get up ! …Stand up ! …♪」と、軽やかにでもなぜか空悲しい歌声が流れていました。車の窓の外では粉雪がくるくる舞っています。ずーっとウィンカーを出しっぱなしで運転する義兄。(後になって分かったのだけどヨーロッパではウィンカーは『お先にどうぞ』のサインだったそうです。)猛スピードで抜かしていく大型の車達に「Ohhhh!!!デンジャラース!!」と自分の事は棚に挙げて叫び続けていました。

 それから私は冬になるとボブ・マーレイを聴きたくなるのです。

 


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by iroirostyle | 2008-01-06 14:49 | 暮らし