裏路地
バンコクのチャイナタウン。調子の悪い身体を労わる様に、太陽の光から隠れるように…。逃げ込んだ暗い路地の裏。いつも財布を掏られないように神経を尖らせながら歩く、買い物客のごった返す表通りとは全く違う世界がそこには広がっていた。今まで在る事すら気づかなかった水路。鼻をつく魚介類の干物の匂い。黄色と白の花を一心不乱に針に通して神様への捧げ物を作る人たち…。
何の為にここまで迷うことを前提にして設計されたかは分からないが、ここで一体どれだけの人がどんな暮らしを営んできたのだろうか?
私はしばらくして自分自身が迷ってしまっている事に気が付いた。
裏通りを歩く。前を歩く老人の水気のない足首を見ながら。誰からも気づかれずここを抜ける。きっと。きっと。きっと抜けられる。
何の為にここまで迷うことを前提にして設計されたかは分からないが、ここで一体どれだけの人がどんな暮らしを営んできたのだろうか?
私はしばらくして自分自身が迷ってしまっている事に気が付いた。
裏通りを歩く。前を歩く老人の水気のない足首を見ながら。誰からも気づかれずここを抜ける。きっと。きっと。きっと抜けられる。
by iroirostyle
| 2008-01-21 12:26
| 旅